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アロマテラピーの基礎知識
> ・ エッセンシャルオイル(精油)の品質について
~ ケモタイプ / 脱テルペン・フロクマリン類 / 偽和 ~

・ エッセンシャルオイル(精油)の品質について
~ ケモタイプ / 脱テルペン・フロクマリン類 / 偽和 ~

 アロマテラピーで使用されるエッセンシャルオイル。
その品質は、とても大切です。
そして中には一般のタイプ比べ、と少し特殊なエッセンシャルオイルがあります。
また場合によっては粗悪品、偽物などが販売されている事もあります。


【 1. ケモタイプ(chemotypes:科学種)について 】
【 2. 脱テルペン・脱フロクマリン類について 】
【 3. 偽和(混ぜ物)品について 】



【1. ケモタイプ(chemotypes:科学種)について 】

 エッセンシャルオイルには、“ケモタイプ”というものがあります。

ケモタイプとは、
同じ植物にもかかわらず芳香分子の成分、含有量の違う精油類
の事を示します。または同じ植物を
化学組成別に分類、または含有成分によってタイプわけされた精油
ともいええるでしょう。


その原因には色々あるのですけれど、大きな理由としては環境要因が挙げられるでしょう。
・その植物の生育場所
・他家受粉および生育過程
・土地の条件、気候など。


植物はその地域特有の病気・寄生虫などに対して、抵抗性を獲得します。
そしてその場所において自分たちの種が一番良い状態で生育できるよう、
自らの最適化を行うのです。これもまた、進化の一種ですね。

そうする事で例えば、
【 ★★オイル、Aという地域では●●●●●●の成分が多く含まれる 】
【 同じく★★オイル、Bという地域のものには▲▲▲▲の成分が多く含まれる 】
などといった現象が起こります。


また場所ではなく、
ある季節ごとに一定の変動が起こる場合も、一つのケモタイプとして分類します。


ケモタイプは、蒸留時に人為的に手を加えたものではありません。
何か成分を添加してもだめですし、除去してもいけません。

その科学的な差異は、自然に植物の中でのみ起こったものです。

現在、植物・精油の分析は盛んに行われています。
例えば“タイム (コモン タイム)”は少なくとも7種類のケモタイプがありますし、
他にもニアウリ、ユーカリ、マジョラム、ティートリー、バジルなど、
様々な精油において確認されています。
今後、もっと多くの精油についてもっと詳しく分析され、分類はさらに増えてゆく事と思われます。

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【 2. 脱フロクマリン・脱テルペン類について 】

 私達が使う、エッセンシャルオイル。
アロマセラピーにおけるエッセンシャルオイル:精油は
純粋である事、つまり何も手を加えられていない事はとても大切です。

⇒エッセンシャルオイル(精油)とは?【構造と性質】にもありましたが、
エッセンシャルオイルの芳香成分はお互いに“相乗効果”があります。

例えそれが痕跡程度の含有量であったとしても、
全体から見ると他の成分の
・効果を補強する(治療効果を高めます)
・抑制する(副作用を抑えます)
という働きをしているのです。

ですから、
“本物の精油”ではない、継ぎ足されて作られた精油“偽和品”
一方で、“その精油の中から、ある活性成分が除去されたもの”

こういったエッセンシャルオイルの芳香成分化学組成は、違ってきます。
つまり正確には、本来持っている力を発揮出来ないかもしれないのです。


エッセンシャルオイルは香水業界でも使用されます。
そういうオイルは、しばしば芳香成分の中から”テルペン類”が部分的、
時には全面的に除去されます。

香水はアルコールにエッセンシャルオイルを溶解させ、調合するのですが、
テルペン類はアルコールに溶けない性質を持っているのです。
ですからこういった事が必要になってくる場合があります。
もし、その精油の中のテルペン類含有量が高すぎますと、香水にとって外見上の欠陥、
濁りの原因となってしまう事があるのです。


さて、このことをアロマテラピーの視点から見た場合、どうでしょうか?

テルペン類の一部は皮膚を刺激する場合があります。
ですからある種の精油はテルペン類の刺激作用を取り除くため、
テルペン系のある成分を取り除く場合はあります。
ただ、これが全てにおいて良い訳ではありません。

実際にテルペン類が取り除かれた精油は、不完全です。
本来の複合的な化学構造ではなくなってしまっていますよね。
同時にこの事は、テルペン類以外の成分の比率を上げる事になります。

例えば脱テルペン工程をへたペパーミントオイルがあるとしましょう。
この精油は“メントン”、刺激性のあるケトン類の割合が高くなる事を意味します。


何か特定の成分を除去する、といえば“ベルガモット”オイルが有名でしょう。

ベルガモットは光毒性のあるフロクマリン類(ベルガプテン)を含有します。

フロクマリンを完全に除去したオイルでしたら、塗った箇所が日光に当たっても、
問題なく、安心して使用できます。

ただエッセンシャルオイルのもともとの化学構造、本来持っている力を考えた時、
光毒性があるからといって“脱フロクマリンのベルガモットオイル”のみ使う事は、
一概には良いとはいえないと思われます。

例えば化粧品会社が、クリームやローションなどの香り付けに
“脱フロクマリンのベルガモットオイル”を使う事は問題ないでしょう。

ですが私達がアロマテラピーの観点から、その精油の本来持つ効果を考えると?
また、日焼けに関係ない部分にベルガモットオイルを使う場合などは?


エッセンシャルオイル:精油とは、
数百もの異なった型の芳香分子の混合物です。

痕跡程度の微量成分が、全体のバランスを保っていたりする場合もあります。
実際に人口の香りが本物の精油の香りを厳密に再現できないのは、
精油にこういった複雑な構造があるからなのです。
(これから100%解析できるようになれば、再現できるようになるかもしれませんね。)


“脱~”オイルを使用は状況に応じて使い分けると良いでしょう。

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【 3. 偽和(混ぜ物)品について 】

エッセンシャルオイル(精油)、特に花の“アブソリュート”などの生産コストは
他の種類のものと比べて比較的高くなります。

こういった大量の原料が必要となるエッセンシャルオイル。
そして需要が供給を上回る、人気のあるエッセンシャルオイル。
そういったオイルを安く、大量に供給するために、
偽和品いわゆる“混ぜ物で水増しをされた精油”が作られる事があります。


・高価な精油に、安い精油を入れて水増しする。
・安く大量に手に入る精油から必要な芳香成分類を抽出し違う精油に入れ、
目的の高価な精油に似せる。
・まったくの合成物質を添加する。
・無臭の植物油を添加する。


つまり、安く容易に手に入れられる精油や芳香物質を用いて、
高い精油の“混ぜ物水増し品”つまり“にせもの”が作られるのです。




こういった行為はアロマテラピストにとっては問題ですし、詐欺ではあるのですが、
“偽和する事がいつもいつも必ずしも悪いというわけではない”、という面はあります。
やっかいですね。

なぜかといいますと、精油はアロマテラピーだけで使用されるわけではありません。
アロマテラピスト:芳香療法家が使用する以外にも、化粧品、香水、洗剤、
その他の様々な分野で使われています。


そのような場合は、
・香りがそれらしければ
・価格が予算内であれば
そして
・アロマテラピーの治療効果を期待していなければ
特に問題はないのですから。


でもアロマテラピーでは、そのエッセンシャルオイルの名前と内容が名実共に同じである事。
これはとても大切な事です。
サロンなどでは、お客さんに対して信用問題でもあります。


エッセンシャルオイルの命である芳香分子の化学構成が違う、
似た香りがするだけでは、治療効果はありません。
それに当然何も手を加えられていない状態の精油の効果が一番高く、
副作用の起こる可能性も低くなります。


精油の質・中身を確認し“本物”を使う事。
それは私達自身の、そして私達がアロマテラピーを行う相手への義務であり、
礼儀ではないでしょうか。



販売されている精油には、分析表がついているものも多いです。
ついていない精油は悪い、という事は一概に言えませんが、
時折、どうみても明らかに安すぎるものなどがあります。
そういったオイルは偽和品かどうか、考慮すべきでしょう。



信頼のおけるお店、業者、ブランド、人々の情報。
それらを通じて、あなたに合うエッセンシャルオイルが見つかれば良いですね。


(ちなみに管理人はこんな精油を使っています。)





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