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・エッセンシャルオイル(精油)とは?

 あなたは今日、どんな植物と出逢いましたか?

私達の身近な植物。
アロマテラピーで使われる”エッセンシャルオイル(精油)”は
この植物達にとても深い関わりがあるのです。

このエッセンシャルオイルとはどんなものなのでしょうか。


【 1. 植物の“エッセンス” 】
【 2. エッセンシャルオイルの抽出方法 】
【 3. エッセンシャルオイル独自の特徴 】
【 4. 成分構造と性質 】
【 5. 身体に対する吸収経路 】
【 6. 感謝の気持ち 】



【1. 植物の“エッセンス”】

 植物は、“エッセンス”と呼ばれる、香りを伴った不思議な化学物質、
芳香物質を生産しています。

これは植物が持っている特別な分泌細胞の中で作られます。
例えばある植物は、またある植物は木部種子などと。
それぞれの植物によって様々な場所で作られます

そしてその植物が一生を終えるか蒸発してしまうまで、その植物の中に蓄積されています。


でも植物はそんな物質を、どのように活用しているのでしょう?

それは例えば、昆虫や鳥を呼び寄せ受粉などの手助けをしてもらったり。
あるときは嫌な匂い・味として食べられるのを防いだり。
また、病気や怪我(傷)の時に殺菌や細胞の成長を促進させるものもあります。

植物達はこういった様々な効果、作用を持つまでに長い月日をかけ、
それぞれの必要にあわせ、進化してきました。
そうして自分達に一番合った物質を作り出してきたのです。


そう、私達が手にするエッセンシャルオイルとは、
植物達の不思議な“エッセンス”を抽出して出来たものなのです。


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【 2.エッセンシャルオイルの抽出方法 】

 植物の中に自然の状態で存在する、
芳香分子による化学物質“エッセンス : エキス、精”。

そして正確には“エッセンスを水蒸気蒸留法で抽出したもの”を
“エッセンシャルオイル : エキスからなるオイル”といいます。


アロマテラピーで使用される精油の代表的な抽出方法および抽出物の名称は

水蒸気蒸留法で抽出されたもの:“エッセンシャルオイル”

(抽出・蒸留過程において、熱、圧力が加わります。
ですから成分の変化、追加が起こるものもあります。)

圧搾抽出法で抽出されたもの:“エッセンス”
(熱を加えません。若干の酵素、酸素、水とは接触します。
基本的には化学構造の変化は殆ど起こりません。

中には水蒸気蒸留法出来る種類もありますが、
それらは変化の度合い上、アロマテラピーでの使用は推奨できません。)

溶剤抽出法で抽出されたもの:“アブソリュート”
(薬品とアルコール類を使って、エッセンスを抽出します。
水蒸気蒸留法や圧搾抽出法では出来ない種類、
花などの繊細な香りのエッセンスを抽出する場合が多いです。)

この溶剤抽出法の前身として、昔は油脂吸着法という方法で
“(冷浸およびシャシ)アブソリュート”が作られていました。
牛や豚の脂を使って行われますが、現在ではほとんど行われておりません。

逆に現代、超臨界流体抽出法 / 二酸化炭素抽出法という方法、
二酸化炭素の特性を生かした方法が1970年代に開発されています。

非常に品質の高いエッセンシャルオイルを生産できます。
ただし手間がかかり、また機械類・使用器具が高額になるため、
高価なハーブや花のみに、限定されています。


アロマテラピーではこれらのオイルを目的・効果・作用、と必要に応じて使います。

一般的にはこれらをまとめて“エッセンシャルオイル:精油”と呼ぶ場合が多い為、
このサイトでも“エッセンシャルオイル”、“エッセンス”、“アブソリュート”をまとめて
“エッセンシャルオイル”あるいは“精油”と記載
させていただいております。


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【 3. エッセンシャルオイル独自の特徴 】

 植物由来の“エッセンシャルオイル”。
実はこのエッセンシャルオイル、大切な4つの特徴があります。
それは、

1.<芳香性>独自の“香り”を持ちます。
2.<揮発性>空気中で蒸発します。
3.<親油性、脂溶性>水には溶けず、植物油・アルコールによく溶けます。
4.<可燃性>可燃性です。引火しやすいです。


香りの系統、強さ弱さに差はありますが、
“香る、蒸発する、油に溶ける、燃える”
と言う性質はエッセンシャルオイル(精油)に共通のものです。


そうそう、私達は“エッセンシャルオイル”または“精油”と言っています。
でもちょっとご注意。
植物油や動物性の油脂などと普通に想像する、“オイル・油”。
それとは少し、違ってきます。
では、その正体はいったい何でしょうか?


精油<エッセンシャルオイル>とは。
それは、
“数十~数百種類もの天然の化学物質が組み合わさって出来た有機化合物”
それが“エッセンシャルオイル:精油”の正体なのです。

この“エッセンシャルオイル”の化学組成は、とても複雑です。
そしてこの組み合わせ方は、それぞれの植物によって個性があります。
何故なんでしょう?


植物は、太陽の光からエネルギーを利用して、
空気、水、土の中の酸素(O)、水素(H)、炭素(C)といった化学元素を結合させ、
これらの原子から様々な芳香分子を作り出します。

そして、分子類はそれぞれの植物によって、独自の結合をします。

その植物自身に必要な作用、活用に応じて、
“それぞれのエッセンス:それぞれの植物独自の芳香物質”
を生み出しているのです。

だからこそ、エッセンシャルオイル(精油)に
各々独自の“特徴的な芳香”と“治療特性”が生まれるのです。

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【 4. 成分構造と性質 】
 何故、私達はエッセンシャルオイルを使うのでしょうか。
エッセンシャルオイルの持つ長所、力。その秘密はどこにあるのでしょう?


実は普段、私達が食べたり飲んだり塗ったりする商品の中には
エッセンシャルオイルが使用されている、または同じ化学物質が
含まれているものが多くあります。
身近なガム、のど飴や湿布(ペパーミントの“メントン”など)、また薬などもです。
そして、そういった薬・商品とエッセンシャルオイルは、例え香りは似ていても、
構成する化学成分の数・種類・構造が違ってくるのです。


エッセンシャルオイルを構成する芳香成分。
その構成分子の割合は、種類によって様々です。

しかし、もしあるオイルが単一の分子で90%が構成されている場合でも、
残りの10%には何十種類もの成分が含有されています。
例えばこんな風に(数値は%です)。

90 : 7 : 2 : 0.5 : 0.4 : 0.1x : 0.0xx : x~ : x~ : …


私達の用いるエッセンシャルオイルには種類にもよりますが、
何十種類も、時には300種類以上もの異なった化学成分が含まれています。

そして“何十、何百種類もの異なった分子の結合体である精油”には、
・様々な働きが相乗的に働くという効果(シナジー効果:相乗効果)
・望ましくない副作用を防止するという効果(クエンチング効果)

があるのです。
(この効果はエッセンシャルオイル同士のブレンドの際にもあります。)

言い換えますと“少量でも多数の違った成分が存在し、結合している”という事は、
・主要成分類の効果のバランスをとる
・強すぎる効果を温和なものにする

ということでもあります。


ここに植物医学一般、そしてアロマテラピーにおいて
副作用が少ない理由があると考えられます。

ただしやはり、使用は品質の良いエッセンシャルオイルを適量適度、
正しい知識の上で行う事が前提です。
体質・状況などによっては薬と同様、予想外の事態が起きる可能性は否めません。
こちらをご参照ください。⇒◆ エッセンシャルオイル(精油)の注意と危険性


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【 5. 身体に対する吸収経路 】

エッセンシャルオイル(精油)には心と身体、両方に働きかける力があります。
ここに芳香分子の不思議、素晴らしさですね。
精油はなぜ、私達の心と身体に影響を与えるのでしょう。


エッセンシャルオイル(精油)はどうやって私達の体内に取り込まれ、
どのような作用をするのか。
それは、エッセンシャルオイルの物理的状態によって、変わってきます。


まずは“気体状”のエッセンシャルオイル。
“芳香浴”などで吸入された芳香成分は、<鼻>から<嗅神経>を通して
<大脳辺縁系>に直接働きかけます。

ちなみに<嗅神経>からは全て【電気信号】となります。
それぞれ捕らえた芳香分子の情報ごとに、
私達の脳は、それぞれの特徴ある反応をするのです。

同時に<肺>から入った芳香成分は<肺胞>から<血液>中にも取り込まれます。



次に“液体状”のエッセンシャルオイル。
マッサージやアロマバスなどで皮膚から吸収される場合、飲用などで直接口から、
また時には座薬、膣薬などで直腸や膣から取り込む場合もあります。

<各臓器や組織>へ直接、また血液循環を介して全身へと巡り取り込まれ、
各々のエッセンシャルオイルに応じた作用が働くのです。


精油の成分は、皮膚等から体内に取り込まれることで、
様々な症状の改善を、直接的間接的に促し、もたらしてくれます。
それがつまり、
”エッセンシャルオイルの身体に対する癒し・効果・作用”
というわけです。


火傷の時のラベンダーによる治癒力。
風邪の時のティートリーによる殺菌力。
知っていれば手軽にもかかわらず、とても心強いものです。

同時に芳香分子であるオイルは揮発し、あなたの心にも働きかけます

揮発したエッセンシャルオイルの香りを嗅ぐ事で得た情報は“大脳辺縁系”、
すなわち“本能、感情”などをつかさどる器官に直接、作用します。
エッセンシャルオイル(精油)の香りはダイレクトに、
そして即座に“心と感情”に影響を与えるのです。


もしもあなたの心がちょっと疲れたら、例えば
ラベンダー、マジョラム、ネロリ、ベルガモット、ローズ、ジャスミン、
オレンジ、フランキンセンス(乳香)、サンダルウッド(白檀)などなど。
身近に手に入るこんなエッセンシャルオイルは、
あなたを支え、力づけてくれる力を持っています。

あなたの好きな香りを、“本物の精油”の香りを嗅いでみてください。

きっとあなたの心を受け止めてくれるでしょう。
そして何かしら、光を感じさせてくれる事でしょう。

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【 6. 感謝の気持ち 】

エッセンシャルオイルは100%天然素材です。
本来、植物がほんの少しだけ持っているものを、
様々な抽出法によって、ぐっと濃縮したものです。
中には何千倍も、凝縮されているものもあります!

ではいったい、どれくらいの植物が必要なのでしょう?


例を挙げてみましょう。例えばラベンダー。

実はラベンダー10gの精油を取るのに、
なんと約1.6kgも必要なのです。
そしてこれがローズになると?

たった10gの精油を取るのに、
なんと約40kg近くも必要なのです!

1kgだと、それこそ100万本のバラ!
といったところでしょうか。


想像してみてください。

植物は、人類よりも圧倒的に昔から、存在してきました。

それこそ何億年も昔から。

そして私達が存在する現在。

今、あなたと私の手にあるエッセンシャルオイル。
これははるか昔、50億年前から現在まで、延々と繋がり育まれてきた、
植物達の“生命”でもあるんです。
(食べ物もそうですし、あなたやあなたの周りの人たちもそうですよね。)

エッセンシャルオイルも、そのひとしずくがとても大切です。
感謝の気持ちと共に使わせてもらいましょう。





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